INTRODUCTION


 永い間、僕は様々なプロジェクトに関わり、作詞というポジションで作品を作り続けてきました。歌は生き物で、その時代やアーティストと共生せざるを得ないものです。不変的でスタンダードになるものもありますが、多くは時と共に風化してしまう。更に、情報量の増加やテクノロジーの進歩で、歌の賞味期限はより短くなっていくようにも思われます。そんな中で、常々、既存のアーティスト主導のアプローチとは違う作品主導のレーベルができないかと考えていました。その発想は、従来の歌作品に留まらず、朗読や映像にまで進化していきました。様々なジャンルのクリエーターとコラボレートしながら、作品中心の制作ができればと思います。
 そして、“Product-Initiative”という発想が、オーディエンスやクリエーターの枠を超え、新たな邂逅の場を生むことを想像しています。

GORO MATSUI



 「ポエトリーミュージック」は、表現者のカタルシスに重点が置かれてしまう従来のポエトリーリーディングと違い、音楽作品としての形を成すことで聴く者との距離を測っている。ことばがメロディから解放され、リズムに傾倒した形にラップがあるが、「ポエトリーミュージック」は、ラップとポエトリーリーディングの中間点に位置するものと考えていいだろう。いままでのどれとも違う、それは「詩-ことば-の音楽」なのだ。



●● Profile ●●
1981年チャゲ&飛鳥のアルバム『熱風』で作詞家としてデビュー。POPS ・ROCK・アニメーションなど幅広いジャンルで2500曲以上の作品をアーティストへ提供。近年プロデュースワークでも音楽シーンにその名を響かせる。メロディに綴られた「ことば」のもつ影響力は、あまりにも大きい。

●● 提供アーティスト ●●
安全地帯、氷室京介、吉川晃司、玉置浩二、工藤静香、BOΦWY、チャゲ&飛鳥、平井堅、平原綾香、HOUND DOG、クレイジーケンバンド、中山美穂、タッキー&翼、V6、光GENJI、MAX、dream、郷ひろみ、中森明菜、高橋真梨子、田原俊彦、長渕剛、鈴木雅之、矢沢永吉、柴咲コウ、光永亮太、パク・ヨンハ、イ・ジョンヒョン、島谷ひとみ、奥村愛子、上條ひとみ、September…ほか